ADHDやASDでも期間工で働けるのか?発達障害の私が実情を語ります

結論から言うと、ADHDとASDの診断を受けている私自身はどうにか働けています。

発達障害を持っているから働けないというのは無いですね。

その上で配属される工程に向いてる、向いていないはあると思います。

でもこれは期間工という働き方そのものが向いていないという意味ではありません。

私自身の経験も踏まえてもう少し詳しく書いていきたいと思います。気になる方は続きもご覧ください。

目次

クローズ就労なら発達障害でも働ける!

発達障害ならカミングアウトは避けましょう。

オープンにすると不採用となる可能性が高い

期間工で働きたいならクローズ就労することをおすすめします。クローズ就労は違法ではなく権利なので、問題になることはありません。

ただし、一般雇用は障害のない方と同じレベルの能力が求められます。そこについていけず、働いてから自分自身が苦しめられるリスクがあることは認識しておいて下さい。

でも辛かったら辞めれば良いことです。一度初めて見るのは悪いことではなどころか、むしろ良いことですね!

何でも正直に話す必要はない

「なんでも正直に話す必要がある」と考えてしまう発達障害の人は多いのですが、そういう特性があるからでしょう。

しかし、採用する立場の人の気持ちを考えてみると、リスクのある人は採用したくありませんよね。

カミングアウトというのは「自分から落としてください」と言っているようなものなのです。

カミングアウトするつもりなら端から応募しないほうが双方にとってメリットです。

それでも言わなきゃ駄目だと思ってしまうのなら、障害者雇用枠で探すべきです。

ダイレクトな物言いになってしまいますが、これが現実なのです。。。

偏差値38の私はたぶん境界知能かもしれない

ADHDとASDの診断は受けていますが、境界知能の診断はまだ受けたことがありません。

ただ、私は昔から人の話を理解するのが難しく、話すスピードが早い人の話は特に理解できませんでした。

文字にしてゆっくり読むことでしかようやく理解できる…というような感じです。

こんな私でもどうにか期間工はできました。もちろん失敗もありました。ついていけない工程もあったので、半年でやめて別のメーカーに転職したりということも。

ですから、1つのメーカーが合わなかったからと言って期間工そのものが無理だとは考えるのは早計かもしれません。

ADHD・ASDに期間工は向いているのか?

期間工はそもそも障害のない方でさえ向き不向きがあり離職率の高い職業です。

そしてそれは期間工という働き方よりも配属される工程によって大きく左右されます。

ですからADHDやASDでも向いている工程もあれば向いていない工程に配属される可能性もあるということです。

工場にはポカヨケという仕組みがある

「ポカ(失敗)を除ける」という意味で、ポカヨケと呼ばれているシステムがあります。

組立ラインでは殆どの場合導入されている装置です。

組立ラインで例えるなら、

部品の取り付けを忘れたら警告が出る装置

と思ってもらえばOKです。

ADHDの方は特に部品の取り付け忘れをやりがちかもしれませんが、部品箱から部品を取っていないときに警告音が鳴って教えてくれるので、取り付けを忘れたまま次の工程に送られてしまうことはありません。

ただし、あくまでも取り忘れ防止のための警告音なのでそれが鳴ってから部品を取り付けられる時間の猶予が残っているかはまた別の話。

猶予がなければリリーフマンに忘れていたことを謝って、対応してもらわなければいけません。

不具合を出してしまうよりは断然マシですが、何度もフォローしてもらっていると自分が無能であることを実感して、精神的に落ち込んでしまうことはあるかもしれません。

ただ反復作業ではあるので、他の作業と比べるとマシだと思います。臨機応変に対応しなければいけない介護職や接客サービス業と比べると、毎回部品を取り付けるほうがミスは起こしにくいのではないでしょうか。

私自身は組み立て工程はマシだったけど物流工程では……

個人的な話をすると、組み立てにはまだ向いていたと思います。

ADHDは組み立てのような反復作業のほうがミスが少ない気がします。

それに対して、物流工程に配属されたときはダメダメでしたね。

物流の仕事は突き詰めて言えば部品箱を棚に入れるだけの作業なのですが、毎回同じ部品を入れるわけではありません。

通るルートは毎回同じですが、その通路上の部品は全て自分が担当します。もちろん一度で運びきれないので、システムで管理され、足りなくなりそうな部品を優先的に運びます。

一日のうちに運ばなければならない部品という意味では同じ部品なので、これまでに運んだことがない部品を運ぶわけではありませんが、台車に積まれる順番は毎回バラバラなので、先にどの荷物から納入していくか、ある程度自分の頭で考えなければいけないのですね。

更に納入するだけでなく、ライン上の作業者が使い終わった空箱(空の部品箱)を回収しなければいけません。

私は納入するべき部品箱と空箱を一緒にしてしまい、実入り返却と呼ばれるミス(納入せずにメーカーに返品してしまう)を起こしてしまったこともあります…(苦笑)

物流工程にはポカヨケがほとんどありませんから、そういうミスを起こしてしまう可能性は十分にあります。

私も含めてADHDの方に物流工程はちょっと難易度が高めかもしれません。

ですから、期間工に向いてる向いてないではなく、各工程に向いているか向いてないかの方が重要だと思いますね。

しかし工程はガチャなのでどんな工程に配属されるかは入職してからじゃないとわかりません。

気になっている方は一度期間工で働いてみて自分に合っていなかったら辞めるという手もありだと思います。

入職の受け入れ教育時に測定がある場合がほとんど

入職してすぐに現場に配属されるわけではありません。

入職時に健康診断や安全についての教育があります。

その中で、「作業測定」というのもあります。別に身構える必要はありません。

作業測定は良い成績を出さなくても良い!

これはボルトをインパクトで締め付けるなどの作業テストで、どれくらいの作業でスピード出来るかを調査されているのです。

普段通りリラックスして作業すれば遅くても問題ありません。

むしろ測定速度があまりにも早いと、速い作業スピードが要求される工程に配属されて、苦労するかも……。

実際の作業はテストよりも遥かに複雑です。グレードやオプションによって取り付け場所が変わったり覚えることも多いので。

測定で良い成績を出すとそういうこともあるので、無理に急ぐ必要はありません。リラックスしてやってください。

ただあまりにも遅いと物流工程など、(場合によっては)ライン作業以上に体力的に消耗する工程に配属される可能性があります。

手を抜かず、かといって無理をしない程度の作業スピードで問題なし!

私は物流工程のほうが向いていなかった人間なので、わざと手を抜いても別に良いことは起きないぞということは伝えておきます(笑)もちろん私は測定で手を抜いたことはありませんよ!

メチャクチャ遅くても組み立てになる時は組み立てになるし、早くても他の工程になる場合もあります。

全ては人事担当のその場の判断です。

配属の意図など考えず、普通にやりましょう。意図を考えてハズレ引いたらきっとがっかりするので(笑)

実際のところ、それっぽい人は結構いる

本人に「発達障害ですか?」なんて聞けるわけがないですし、無論医者でもないのであくまでも想像ですが、初歩的なミスが多いとか、結構それっぽい人は見かけます。

そうであってもそうでなくても、人間だからミスをするのは当然なので、「ミスをしてしまうのではないか……」と過度に不安になる必要はないと思います。

それが理由で期間工を諦めてしまうのはもったいないです。

私は飲食店で働いていたこともあるのですが、期間工のほうが断然働きやすいです。

正社員なら後任との引き継ぎなど大変ですが、期間工は非正規なのですぐに辞めても大きな影響はありません。

良くも悪くも非正規です。非正規のメリットを活かして、お試し感覚でやってみるのはアリだと思いますよ。

発達障害者に向いてる職業は?

これは完全に私個人の意見なのですが、突き詰めていえば発達障害者に向いている職業など一つも存在しないと思っています。

発達障害者と言っても一人ひとり症状の重さが違うし定義の幅が広いので、発達障害者なら誰でも向いているという仕事をこれだと絞っていうのは無理があります。

ただひとりひとりの単位で見れば向いている仕事はあるかもしれません。

そしてその一つが期間工という働き方かもしれません。

一度お試し程度に始めてみてはいかがでしょうか?

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